球状花崗岩(読み)きゅうじょうかこうがん(その他表記)orbicular granite, ball granite

岩石学辞典 「球状花崗岩」の解説

球状花崗岩

多数の球状や楕円状の塊を花崗岩物質で埋めた状態の花崗岩.花崗岩の成分鉱物の鉱物組成が部分的に異なり,中心部から外部に向かって層状に配列して,球体楕円体または多少不規則な外形などの塊を形成したものをいう.球状体の中心部にはしばしば黒雲母またはその他の有色鉱物が多量に集合することがあり,またこの部分が長石のみ,あるいは正規の花崗岩と同一の鉱物成分を示すこともある.これを囲む外殻は通常数層ないし数十層からなり,有色鉱物に富んだ部分とこれに乏しい部分とが交互に重なる.ときに珪線石菫青石,鋼玉など花崗岩に稀な鉱物類が含まれることは珍しくない.日本でも茨城県筑波地方の峰寺山,愛知県瀬戸付近の猿投山付近,下伊那郡喬木村の毛無山などに産する[吉木 : 1933, 河野 : 1939].峰寺山の中腹にある西光院付近にある斑状花崗岩の小懸崖に密集して産出する.中心の内核は片状で主に石英,黒雲母,斜長石からなり白雲母,珪線石などを伴う.核の外側は石英,斜長石,黒雲母,菫青石などを含む.この球状体は古生層内に花崗岩マグマが貫入の際に古生層の堆積岩岩片を捕獲し,これを核として球体を形成したと考えられている[吉木 : 1933].毛無山の球状体は直径4.5cm程度の楕円体で中心部,中核外核からなり,中心部は黒雲母片岩の岩片から放射状に黒雲母,角閃石が結晶し,斜長石,石英などが含まれている.この球状体は片状ホルンフェルスなどが花崗岩マグマと混成作用を起こしたものと考えられている[河野 : 1939].

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最新 地学事典 「球状花崗岩」の解説

きゅうじょうかこうがん
球状花崗岩

orbicular granite ,ball granite

構成鉱物が同心球状に層状配列した球状体の群集を含む花崗岩。球は,ふつうは楕円体状あるいは多少不規則な閉じた外形をもち,径数cmから30cmくらいの場合が多い。多くの場合,鉱物構成は石基の花崗岩と同一で,有色鉱物層と無色鉱物層が交互に重なり,有色鉱物はしばしば放射状に配列する。核部に異質岩片を包有する場合もあり,アルミナ質変成岩片を核として包有する場合は珪線石・菫青石・コランダムなどを含むものもある。母岩は花崗岩から閃緑岩の場合まである。領家花崗岩類や船津花崗岩類に多く,世界では北欧の古い花崗岩やコルシカ島の花崗岩が有名である。コルサイト,ナポレオナイト,日本では皇帝石,菊石,蛤石などと呼ばれる。なお変成岩中に形成される場合はエスボアイトと呼ばれる。

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