改訂新版 世界大百科事典 「ラプラプ」の意味・わかりやすい解説
ラプ・ラプ
Lapu-Lapu
世界周航途次のマゼランをマクタン島で殺したフィリピンの民族的英雄。生没年不詳。マゼラン一行は1521年3月フィリピン群島に達し,4月7日セブ島に上陸してこの島最強の首長ラジャ・フマボンと友好の血盟を結んだ。そして近隣諸島の首長にラジャ・フマボンを彼らの王として認めるよう要求したが,セブに東接する小島マクタンの首長ラプ・ラプはこれを拒否し,スペインとの友好をも拒んだ。おりからマクタン島のもう一人の首長ダトゥ・スラがラプ・ラプとの抗争にからんでマゼランに援助を求めてきたので,4月27日マゼランはラプ・ラプ討伐に出て,かえってラプ・ラプの手勢に惨殺された。ラプ・ラプは現在フィリピンで民族独立の最初の防衛者としてたたえられている。
執筆者:池端 雪浦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報