ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラベオ」の意味・わかりやすい解説
ラベオ
Labeo, Marcus Antistius
[没]後18頃
ローマ法史上,初期古典時代を代表する法学者。彼の父もブルータスのサークルに属し,彼も同じく共和主義的立場に固執し,アウグスツス帝から提供された法律顧問の地位を固辞した。当時の法学者に珍しく政治から遠ざかり,法学の研究と教育に従事した。ギリシア哲学やローマ古代の文物に関する広い知識と豊かな法的創造力をもち,総数約 400の法律論文を書き,後世に大きな影響を与えた。彼のきわめて的確な定義は,後代の法学者たちの概念形成の指針となった。ローマ法学史上有名なプロクルス派とサビヌス派の2学派の対立は,ラベオとその論敵 G.カピトとの対立に由来するといわれる。主著『告示注解』 Ad edictum libri XXX,『十二表法注解』 Ad legem XII tabularum,『神官法論』 De iure pontificio,『解答録』 Responsaは現在,直接伝わらない。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報