改訂新版 世界大百科事典 「リウマチ因子」の意味・わかりやすい解説
リウマチ因子 (リウマチいんし)
rheumatoid factors
リウマトイド因子ともいわれ,1942年免疫グロブリンG(IgG)に対する抗体として検出された。単一のものではないのでfactorsと複数にして呼ばれることが多い。抗原としてのIgGは,変性したものと天然(未変性)のものとが考えられている。リウマチ因子はIgM,IgG,IgA,IgEクラスの免疫グロブリンに属するが,IgDリウマチ因子もあるといわれている。
慢性関節リウマチに検出率が高く,慢性関節リウマチの診断基準の一つに入れられている。しかし,膠原(こうげん)病,肝臓疾患など慢性疾患のほか,加齢により健康人にも検出されることがある。病気との関係では,防御的に働く場合と悪化に働く場合とがあるが,どのクラスのリウマチ因子がどのように働いているのかまだ明らかでない。リウマチ因子の検出は,RA(慢性関節リウマチ)テスト,ウェーラー=ローズテスト,ラテックス凝集反応,酵素抗体法などによる。病状につれて,その値も多少変化する。
→抗体 →免疫 →免疫グロブリン
執筆者:広瀬 俊一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報