リトマスゴケ(読み)りとますごけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リトマスゴケ」の意味・わかりやすい解説

リトマスゴケ
りとますごけ
[学] Roccella tinctoria Lam. et DC.

地衣類リトマスゴケ科の1種。地中海沿岸や西アフリカ海岸の岩上に生える。地衣体灰白色で、すこし枝を出し、岩上に直立して生える。高さ10センチメートル内外で、枝の上などに直径1~2ミリの円盤状の子器をつける。

 リトマスゴケはリトマスゴケ属Roccella総称名でもある。リトマスゴケ属は約30種を含み、いずれもリトマス染料原料として利用されるが、おもなものはリトマスゴケとこれに近似の数種である。リトマスゴケ属の種類のなかには樹幹に生えるものも知られていて、東南アジアに分布するR. montagneiはこの代表的なものである。なお、リトマスゴケ科の地衣類は、日本では生育していない。

[井上 浩]

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改訂新版 世界大百科事典 「リトマスゴケ」の意味・わかりやすい解説

リトマスゴケ
Roccella

地中海気候の地域に産するリトマスゴケ科の樹枝状地衣類。地衣体はひも状で基部から盛んに分枝し,10cm前後の灌木状となる。子器は線状で地衣体中に埋まる。化学実験で使うリトマス色素は,この地衣を酸化発酵させたものである。日本のウメノキゴケ,ニクイボゴケ,イワタケなども同様の色素を含む。
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百科事典マイペディア 「リトマスゴケ」の意味・わかりやすい解説

リトマスゴケ

リトマスゴケ科の地衣類一種。地中海沿岸地方,西アフリカの海岸の岩石上にはえる。体は直立してやや樹状を呈し,高さ10cm内外,灰白色で,ところどころに粉芽をつける。近縁のものには樹皮上にはえるものもある。ともにリトマス試験紙に用いる色素リトマスをとる。古くは羊毛の染料としても用いられた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リトマスゴケ」の意味・わかりやすい解説

リトマスゴケ
litmus lichens

リトマス色素を採取する地衣類の総称。レカノラ Lecanora tartareaおよびロッケラ Roccella tinctoriaなどの葉状地衣をさす。

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