改訂新版 世界大百科事典 「リバイバル運動」の意味・わかりやすい解説
リバイバル運動 (リバイバルうんどう)
revival movement
revivalism
信仰復興運動。主としてキリスト教において宗教心や信仰が再び燃え上がる現象,運動の意。教会生活と信仰が形式化したり教条化して単なる慣習や行事に堕してしまったときや,信徒たちが信仰から離れ世俗化して宗教と無関係に生きているようなときに,その不信仰と罪を糾弾し,悔改めを迫り,宗教と信仰に再び立ちかえらせる伝道,特に大衆伝道の形態をとったものを指す。その典型が18世紀前半,アメリカのニューイングランドでおこったいわゆる〈大覚醒〉で,J.エドワーズやG.ホイットフィールドらの説教を中心として始まり,世俗化した植民地に失われつつあったピューリタニズムを復興させ再宗教化した。全国的規模のリバイバル運動はアメリカにおいてはほぼ50年周期でおこっており,1950年代のW.F.グレアムを中心とするものは,冷戦下の政治社会的諸要因からなる複合的な宗教現象でもあった。したがってリバイバルは本来はキリスト教国,特にアメリカにおいてみられる現象であるが,今日では一般的に大衆を対象とした伝道をリバイバル伝道とかリバイバル集会と呼ぶ。対象が非キリスト教徒であっても,大衆を大集会所に集め,音楽などで感情的に雰囲気をもりあげ,情熱的な説教をして聴衆に入信することを決断させる方式が似ているからである。
執筆者:古屋 安雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報