大覚醒 (だいかくせい)
Great Awakening
18世紀中ごろアメリカ植民地に広まった信仰復興運動。住民の宗教的自覚を高め,教会の教義や制度に変革をもたらし,社会的・政治的影響も大きかった。信仰復興はニューイングランドではJ.エドワーズの影響で始まり,中部植民地ではオランダ改革派とスコットランド系長老派の間におこったが,1739年イギリスの説教者G.ホイットフィールドが訪れ巡回伝道を開始すると,各地の連携がすすめられた。南部でも50年代から長老派やバプティストの間で運動が広まった。信仰復興は個人的宗教感情を重視し,一般信徒も巡回伝道や説教に従事したので,既存の教会制度や聖職者の権威が損なわれ,住民の民主的気風を養った。この結果,大覚醒の推進派と反対派の分裂がおこり,教派の多様性がもたらされ,また信教の自由が促進された。信徒の良心の自覚や地域をこえた連帯感は,アメリカ独立革命の精神的風土をもたらした。
執筆者:大下 尚一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の大覚醒の言及
【エドワーズ】より
…1720年イェール大学を卒業,その後神学の研究をすすめ,母校で教鞭をとり,27年祖父が牧師をつとめるマサチューセッツ州ノーサンプトンの会衆派教会の副牧師,29年祖父の死後牧師となる。彼は,初期ピューリタンの厳格なカルビニズムの神学や禁欲的なピューリタニズムの倫理が世俗化しつつあった時代に,アメリカの[リバイバル(信仰復興)運動]の最初となった大覚醒Great Awakeningの指導者として,父祖の信仰から離れ倫理的に腐敗した人々に対して神の審判の迫っていることを説き,悔い改めて回心することをすすめた。なかでも《神の怒りSinners in the Hands of Angry God》(1741)の説教は有名である。…
【エドワーズ】より
…1720年イェール大学を卒業,その後神学の研究をすすめ,母校で教鞭をとり,27年祖父が牧師をつとめるマサチューセッツ州ノーサンプトンの会衆派教会の副牧師,29年祖父の死後牧師となる。彼は,初期ピューリタンの厳格なカルビニズムの神学や禁欲的なピューリタニズムの倫理が世俗化しつつあった時代に,アメリカの[リバイバル(信仰復興)運動]の最初となった大覚醒Great Awakeningの指導者として,父祖の信仰から離れ倫理的に腐敗した人々に対して神の審判の迫っていることを説き,悔い改めて回心することをすすめた。なかでも《神の怒りSinners in the Hands of Angry God》(1741)の説教は有名である。…
【リバイバル運動】より
…教会生活と信仰が形式化したり教条化して単なる慣習や行事に堕してしまったときや,信徒たちが信仰から離れ世俗化して宗教と無関係に生きているようなときに,その不信仰と罪を糾弾し,悔改めを迫り,宗教と信仰に再び立ちかえらせる伝道,特に大衆伝道の形態をとったものを指す。その典型が18世紀前半,アメリカのニューイングランドでおこったいわゆる〈[大覚醒]〉で,J.エドワーズやG.ホイットフィールドらの説教を中心として始まり,世俗化した植民地に失われつつあったピューリタニズムを復興させ再宗教化した。全国的規模のリバイバル運動はアメリカにおいてはほぼ50年周期でおこっており,1950年代の[W.F.グレアム]を中心とするものは,冷戦下の政治社会的諸要因からなる複合的な宗教現象でもあった。…
※「大覚醒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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