リング精紡機(読み)リングせいぼうき

百科事典マイペディア 「リング精紡機」の意味・わかりやすい解説

リング精紡機【リングせいぼうき】

金属リングの縁をめぐるトラベラーと呼ぶ金具に糸を通して加撚(かねん)を行う精紡機。綿・毛・絹紡績などに最も広く使われており,生産能率が高い。この精紡機からドラフト延伸)部を除いた形のリング機構は,各種の撚糸機としても広く使用されている。
→関連項目直紡機

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リング精紡機」の意味・わかりやすい解説

リング精紡機
リングせいぼうき
ring spinning frame; ring frame

精紡機の一種粗糸を引出して細くする牽伸 (けんしん) ローラ紡錘中心として上下するリングと,その周辺を回って,糸によりを加え,巻取りのためのガイドをするトラベラー,急速回転するスピンドルから成り,連続的に精紡することができる。 1830年アメリカで発明された。綿紡をはじめ各種繊維に広く用いられる。生産能率が非常によく,紡績工程を革新したものといわれ,日本では綿紡の大部分がこれを使用している。

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改訂新版 世界大百科事典 「リング精紡機」の意味・わかりやすい解説

リング精紡機 (リングせいぼうき)

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世界大百科事典(旧版)内のリング精紡機の言及

【精紡機】より

…(2)キャップ精紡機 梳毛(そもう)糸紡績用の一部で用いられ,生産能率は高いが,上質の糸の紡績に適しない(図b)。(3)リング精紡機 生産能率が高く,取扱いも容易で各種紡績に最もよく用いられる(図c)。他にポット精紡機(図d)あるいはコップ精紡機(特殊用)(図e)などがある。…

【ソープ】より

…これは経糸(たていと)の開口動作や巻きとりなどに新しいくふうを加えたもの。28年に,今日ではリング精紡機と呼ばれる紡績機械を発明。これは,当時使用されていたミュール精紡機とは異なり,糸の引伸し,撚り(より)かけ,巻きとりを連続的に行うものである。…

【紡績】より

…(a)実撚法 リング,フライヤー,ポット,ミュール,オープンエンド(ローター式,吸着フリクション式その他),(b)仮撚法 結束法,交互撚糸法,(c)無撚法 糊着(こちやく)法,融着法,インターレース。 リング精紡機では木管をスピンドル(錘)にさし込み,スピンドルの回転によって加撚,巻取りを行うが(図2),糸の生産量はほぼこのスピンドルの数(錘数)によって決まるので,紡績工場の規模はこのスピンドルの数(錘数)で表す。(7)仕上工程 糸を出荷しやすい形に巻き返したり,用途に応じて合糸,撚糸,糸の毛羽焼きなどを行う。…

【紡績機械】より

…このとき下端を水平にしてeのように巻き取ると,この水平部はcと同じで新たな撚りはかからないので,巻き取った糸にはP点の回転数だけの撚りがかかる。リング精紡機では,リング状のガイドにはまっているトラベラー(P点に相当)に糸を通してボビンに巻き取ると,摩擦などによりトラベラーはボビンより遅く回転して撚りがかかる(図のf)。スピンドル(ボビン)回転数が一定のとき,撚り数(Pの回転数)が多いときは巻取速度が小さくなる。…

※「リング精紡機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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