リン酸アルミニウム(読み)リンサンアルミニウム

化学辞典 第2版 「リン酸アルミニウム」の解説

リン酸アルミニウム
リンサンアルミニウム
aluminium phosphate

AlPO4(121.95).オルトリン酸アルミニウム(aluminium orthophosphate)ともいう.天然には,ベルリン石(berlinite)として産出する.アルミニウム塩水溶液にリン酸塩水溶液を加えると得られる塩を,熟成すると得られる.また,アルミン酸ナトリウムとリン酸との反応によっても得られる.二水和物と3.5水和物がある.二水和物を高温に加熱すると無水和物が得られる.無色結晶.密度2.566 g cm-3.融点1850 ℃.結晶は石英型,クリストバル石型,りんけい石型の安定な3種類がある.きわめて堅固である.水に不溶,濃塩酸,濃硝酸に微溶,アルカリに溶けてアルミン酸塩を生成する.セラミックス,歯科用セメント,化粧品,さび止め顔料,特殊ガラスの製造,有機合成触媒などとして用いられる.AlPO4のほかに,リン酸二水素アルミニウム(トリス(リン酸二水素)アルミニウム)Al(H2PO4)3が知られている.Al(H2PO4)3は無水和物と三水和物が水に可溶で,表面処理剤,防炎剤,耐火物バインダーなどとして使用される.[CAS 7784-30-7:AlPO4][CAS 13477-75-3:AlPO4・2H2O][CAS 78436-11-0:AlPO4・3.5H2O][CAS 13530-50-2:Al(H2PO4)3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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