改訂新版 世界大百科事典 「リーバーマン反応」の意味・わかりやすい解説
リーバーマン反応 (リーバーマンはんのう)
Liebermann reaction
(1)ニトロソ化合物,フェノール類の検出に利用される呈色反応の一つ。ニトロソ化合物に少量のフェノールを加えて加熱,冷却後濃硫酸を数滴加えると赤みがかった色を呈する。これを水で希釈し水酸化ナトリウムを加えてアルカリ性にすると深青色に変色する。また,フェノール類に少量の亜硝酸と濃硫酸を加えると,ニトロソフェノールが生じ,これが過剰の
フェノールと縮合してインドフェノールを生じて暗緑色を呈する。
(2)コレステロールの呈色反応であるリーバーマン=ブルヒアルト反応Liebermann-Burchart reactionを単にリーバーマン反応ということがある。コレステロールのクロロホルム溶液に無水酢酸と濃硫酸を数滴加えると,初めに赤色を呈し,時間がたつとともに紫を経て暗緑色に変わる。
(3)タンパク質の呈色反応の一つ。アルコールおよびエーテルでよく脱脂したタンパク質に濃塩酸を加えて加熱すると紫色を呈する。これはエーテル中に微量に含まれる不純物であるグリオキシル酸とタンパク質中のトリプトファンの反応による。
執筆者:竹内 敬人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報