百科事典マイペディア 「ルリエ」の意味・わかりやすい解説 ルリエ ロシア出身の作曲家。フランス系ユダヤ人。生地ペテルブルグの音楽院でピアノを学ぶ一方,ブロークやアフマートワらの詩人と交流。〈未来主義〉を掲げ,ピアノ曲《大気のかたち》(1915年)など無調(無調音楽)や微分音を用いた実験的な作品を発表。ロシア革命直後,メイエルホリド,シャガールらと新政府の要職につき,ロシア・アバンギャルドの一角を担うが,政治の介入を嫌い1921年フランスに亡命。ベルリンとパリでブゾーニ,ストラビンスキーらと交わり,1941年米国に定住した。1947年米国市民権を取得。亡命後は新古典主義的な独自の作風を確立し,《コンチェルト・スピリチュアル》(1929年),《室内協奏曲》(1947年)などを書く。プリンストンで死去。長らく音楽史の片隅に追いやられていたが,クレーメルらの演奏活動により近年急速に評価を高めている。オペラ,交響曲,室内楽曲,宗教的声楽作品など多数の作品を残した。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報