日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブゾーニ」の意味・わかりやすい解説
ブゾーニ
ぶぞーに
Ferruccio Busoni
(1866―1924)
イタリアのピアノ奏者、作曲家。幼少より音楽的天才、神童として知られ、ヨーロッパ各地を演奏旅行した。1891~94年にはアメリカで音楽活動をし、帰欧後はベルリンをおもな本拠地に置く。作品のなかではバッハの作品のピアノ編曲、ピアノのための『対位法的幻想曲』(1922)、六曲の『ソナチネ』など、ピアノ曲がとくに有名だが、オペラ『花嫁選び』(1908~10)、『アルレッキーノ』(1914~16)、『トゥーランドット』(1917)、『ファウスト博士』(未完、1916年より着手、のち弟子のヤルナッハにより補作され25年初演)にみなぎるロマン主義的幻想性と古典主義的即物性のみごとな調和も忘れがたい。著作『新しい音楽美学のプラン』(1907)では、その後の新古典主義、微分音音階があらかじめ理論的に根拠づけられている。ロマン主義と20世紀前半の音楽を結ぶ重要な音楽家である。
[細川周平]