ルーゴン=マカール叢書(読み)ルーゴン=マカールそうしょ(その他表記)Les Rougon-Macquart

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルーゴン=マカール叢書」の意味・わかりやすい解説

ルーゴン=マカール叢書
ルーゴン=マカールそうしょ
Les Rougon-Macquart

フランスの小説家エミール・ゾラの連作小説。 20巻。 1871~93年発表。「第二帝政時代の一家族の自然的・社会的歴史」という副題が示すように,ルイ・フィリップ時代を描いたバルザックの『人間喜劇』にならって,第二帝政下の社会全体を,当時発達した生理学,遺伝学から学んだ科学精神を応用して描き上げようとした野心作。アデライード・フークという神経病の女が初婚の相手の農民ルーゴンと,その死後愛人とした,飲んだくれの密輸業者マカールとの間にそれぞれ生んだ子孫が,パリと地方でたどるさまざまな運命を描く。このうちの有名な作品に『居酒屋』 (1877) ,『ナナ』 (80) ,『ジェルミナール』 (85) ,『大地』 (87) ,『獣人』 (90) などがある。

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