ルーマニア共産党（読み）ルーマニアきょうさんとう（その他表記）Partidul Comunist Român

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ルーマニア共産党
ルーマニアきょうさんとう
Partidul Comunist Român

ルーマニアの政党。 1893年創設された社会党を 1921年改組して設立。 48年に社会民主党の一部と合体して，労働者党となった。この間に自由党，農民党，耕民党などの諸政党が解散ないし，強制解散され，ルーマニアの単一政党となり以後党内不純分子追放運動により大規模な粛清の嵐が続いた。 65年7月の党大会で党名を再び共産党と改称。同年第一書記 (のち書記長) に就任したニコラエ・チャウシェスクは，エレナ夫人ら一族を要職に配し，独裁体制を固めた。自由化の波はルーマニアにも押寄せ，89年 12月ティミショアラでデモが発生。これが体制崩壊の導火線となった。同年暮れ，チャウシェスク大統領とエレナ夫人は首都ブカレストを脱出したが逮捕され特別軍事法廷で死刑を宣告され処刑された。 12月 22日，「救国戦線」が暫定政権として発足，12月 31日には政党結成の自由を認めた評議会令を布告した。唯一の政党だった共産党は幹部の大半が逮捕され壊滅状態に陥り，国名をルーマニア社会主義共和国から「ルーマニア」に変更すると同時に，ルーマニア共産党も事実上党の歴史を閉じた。一方，共産党を継承し保守路線を堅持する社会主義労働者党が 90年 11月に設立大会を開いた。

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