レウィシア(その他表記)Lewisia

改訂新版 世界大百科事典 「レウィシア」の意味・わかりやすい解説

レウィシア
Lewisia

北アメリカ北西部に約20種をかぞえるスベリヒユ科多年草。小ギクのような花が咲き,最近,交配改良種がロックガーデン鉢植えとして栽培されるようになった。根は多肉質で,開花した茎の高さは10~15cm,葉はへら形,肉質で根生する。花は4~5月に株の中心からのびた花茎に,分枝して円錐花序に咲くが,花色は紫桃色,ピンク,オレンジ,白などで脈がある。萼は5~6枚で宿存し,花弁は7~8枚,日光を浴びて開く。

 レウィシア属Lewisiaは数種が食用とされるが,そのうちの北西部乾燥地域に分布するL.rediviva Pursh(英名bitter root)の根の肥大部はインディアンによって食用に多く用いられた。

 排水日当りのよい場所によく育つので,鉢植えには火山砂や鹿沼土で植えつけるが,石灰質を嫌い,暑気に弱いので夏は半日陰で涼しく管理する。寒気には強いが,常緑性のものは霜にあわせず凍らない程度に保護するとよい。落葉性のものは冬は休眠状態に置き,花後は灌水を控える。繁殖は春の実生と株分けによる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レウィシア」の意味・わかりやすい解説

レウィシア
れうぃしあ
[学] Lewisia

スベリヒユ科(APG分類:ヌマハコベ科)の耐寒性多年草。北アメリカ北西部に約20種分布する。ほとんど無茎で多肉の根茎をもつ。幅が狭く肉質の葉を根茎から直接出し、密に茂る。4~6月、花茎を出し、その先に一花または多数の花をつける。花色は白、淡桃、赤、黄などがある。よく知られるコチレドンL. cotyledon Robins.はオレゴンからカリフォルニア州高山の礫地(れきち)や岩の間に自生し、乾燥には強いが湿気に弱く、園芸品種も多い。円錐(えんすい)花序に多数の花をつけて美しく、鉢花として市販される。花色は桃、桃紅、橙(ダイダイ)、白などがある。

[植村猶行 2021年2月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レウィシア」の意味・わかりやすい解説

レウィシア
Lewisia cotyledon

ルイシアともいう。スベリヒユ科レウィシア属の総称で,北アメリカの山地に自生するが,一般に鉢植えが流通するレウィシア・コティレドンをさすことが多い。常緑多年草。ロゼット葉を形成するへら形の葉はやや多肉質で,長さ5~10cm。 10cmほどの花茎を伸ばし,散房状に数花を咲かせる。花は直径2~5cmで,8~10枚の薄く繊細な花弁をもつ。花色は桃色,白色,橙色などがあり,しばしば白い覆輪 (ふくりん) が入る。乾燥した山岳地帯に自生するため,高温多湿に弱い。礫質の用土を用い,雨に当てないように管理する。

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