ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スベリヒユ科」の意味・わかりやすい解説
スベリヒユ科
スベリヒユか
Portulacaceae
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双子葉植物、離弁花類。多肉の草で、まれに小低木になる。葉は互生または対生する。托葉(たくよう)は膜質で、毛状になるものもある。花は両性で放射相称。花被片(かひへん)は4~5枚、花弁様で離生または基部が癒合する。雄しべも同数のものが多い。子房は上位。果実は膜質、2、3片縦に裂開するか、横に裂けて蓋(ふた)がとれる。種子は小形で多数ある。世界に19属約580種あり、おもにアメリカ大陸に分布する。日本にはスベリヒユ属とヌマハコベ属の2属各1種が分布する。南アメリカ原産のマツバボタンはスベリヒユ属で、多くの園芸品種がある。
[小林純子 2021年2月17日]
APG分類でもスベリヒユ科とされる。分子系統学の研究によりスベリヒユ科からいくつかの属が分離し、最終的にはスベリヒユ属のみで構成されている。世界の熱帯から亜熱帯地域に1属約100種がある。
[編集部 2021年2月17日]
…熱帯を中心に世界各地の乾燥地域で進化した50科8000種以上の大群である。系統的にはまったく異なった植物群で,独立的に多肉化が起こっていて,ほぼ全種が多肉植物で構成される代表的な科には,ベンケイソウ科(35属1300種),ツルナ科(リトープス属Lithops,マツバギク属Lampranthusなど130属2000種),スベリヒユ科(アナカムプセロス属Anacampseros50種,スベリヒユ属Portulaca30種,レビシア属Lewisia20種など16属500種),ディディエレア科(ディディエレア属Didierea2種,アルアウディア属Alluaudia6種など4属11種)がある。科か属の大多数あるいは一部が多肉植物であるものには,ガガイモ科のスタペリア類(スタペリア属Stapelia,カラルマ属Caralluma,ホオディア属Hoodia,トリコカウロン属Trichocaulon),セロペギア属Ceropegia,サクララン属Hoyaなど28属700種,ユリ科のアロエ類(アロエ属Aloe,ハウォルティア属Haworthia,ガステリア属Gasteriaなど),トウダイグサ科のユーフォルビア属Euphorbia(多肉種500種),モナデニウム属Monadenium(50種),ヤトロファ(ナンヨウアブラギリ)属Jatropha(10種),リュウゼツラン科のリュウゼツラン属Agave(300種),トックリラン属Nolina(25種),ユッカ(キミガヨラン)属Yucca(60種)など7属485種,キョウチクトウ科のパキポジウム属Pachypodium(20種),アデニウム属Adenium(12種),キク科の多肉セネシオ類(80種),オトンナ属Othonna(40種),ブドウ科のシッサス属Cissus(15種),コショウ科のペペロミア属Peperomia(100種以上),アカザ科のアッケシソウ属Salicornia(30種),フウロソウ科のサルコカウロン属Sarcocaulon(12種),トケイソウ科のアデニア属Adenia(20種),ウリ科のクセロシキオス属Xerosicyos(2種),フォウキエリア科の観峰玉(かんぽうぎよく)Idria columnaris Kellog.などがある。…
※「スベリヒユ科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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