レキ・ぐんもん・ならぶ・まばら

普及版 字通 の解説


10画

[字音] レキ
[字訓] ぐんもん・ならぶ・まばら

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 会意
両禾(りようか)を並べた形。〔説文七上に「稀(きそ)、(てきれき)なり。二禾に從ふ」(段注本)とあって、禾を植えることのまばらなるさまをいうとする。金文の図象に、両禾を並べ立てる形のものがあり、〔周礼、夏官、大司馬〕に「旌(はた)を以て左右和(くわ)の門と爲す」とあるように、それは軍門の象である。和(か)はその軍門の前で誓約して、和のことを行うもので、禾は軍門の象。その形は、のちの華表として残されているものであろう。軍門で旌表を行うことを、金文では「蔑(べつれき)」といい、蔑の初文も禾に従う字であった。

[訓義]
1. 軍門。禾は軍門に立てるもので、図象では左向きと、右向きの形にしるす。
2. ならぶ。
3. 適、あきらか、まばら。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 アキラカニミル・コソクル

[部首]
〔説文〕に(兼)、〔玉〕に秦の籀文をこの部に加える。一禾をもつ形は秉(へい)、二禾をもつ形はであるが、および系の字は、両禾軍門の象をとるものであるから、軍門の儀礼に関する字が多く、秉・は禾黍関係で、両者は別系の字である。

[声系]
〔説文〕に声として(れき)、また声として(歴)および声の字を収めるが、(暦)の字を収めていない。がその初文。もと軍の功歴を意味し、曰(えつ)は功歴の書を意味した。

[語系]
)・lyekは同声。声の字はもと軍功に関する字で、の声義を承ける。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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