日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
レシピエント移植コーディネーター
れしぴえんといしょくこーでぃねーたー
移植コーディネーターの資格の一つ。おもに移植を取り扱う病院に所属し、医療福祉関係者と連携したチーム医療の実践を通じて、臓器移植の全プロセスが円滑に実施されるようにコーディネートする専門職である。
具体的には、臓器移植を希望するレシピエントやその家族に対し、移植医療について適切で具体的かつ専門的な医療知識に基づく情報を提供し、移植に関する相談にのり、移植登録の手配などを行い、レシピエントが自発的に移植についての意思決定ができるよう支援する。移植待機期間中には、手術に関する各種手配のほか、退院後の生活指導も含めた精神的・身体的な不安を除去するといった「移植準備」を支援する。移植実施後には、レシピエントの生活全般や自己管理についての指導および精神的支援を行い、移植臓器や全身の状態の把握と適切な情報提供により、移植医療チームと患者・家族とのコーディネーションに努める。
2011年(平成23)には、日本移植学会を中心とする移植関連の学会・研究会で構成される認定合同委員会によるレシピエント移植コーディネーター認定制度が始まり、翌2012年の診療報酬改定では「移植後患者指導管理料」が新たに設けられた。レシピエント移植コーディネーターの資格としては、医師免許か正看護師免許、あるいはそれと同等の知識をもち、5年以上の臨床経験があり、日本移植学会などの移植関連学会・研究会の会員となって学術活動および集会に参加していること、また、日本看護協会、日本移植コーディネーター協議会、レシピエント移植コーディネーター認定合同委員会が主催する研修を受講していることなどが求められる。そのうえで、筆記と面接の認定試験に合格すれば認定証が交付され、5年ごとに更新が必要となる。
移植コーディネーターの資格にはこのほかに「ドナー移植コーディネーター」があり、これらの移植コーディネーターが集まる団体として、日本移植コーディネーター協議会がある。
[編集部]