レスコー(読み)れすこー(その他表記)Pierre Lescot

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レスコー」の意味・わかりやすい解説

レスコー
れすこー
Pierre Lescot
(1501/1510―1578)

フランス建築家。初め絵画を学び、20歳を過ぎてから数学建築に専念した。デビュー作はサン・ジェルマン・ローセール聖堂の内陣障壁(1541~45)で、これはのちに取り壊され、一部ルーブル美術館に収蔵された。彼をとくに著名にしているのは旧ルーブル宮の中庭に面した西側翼屋の南半分(1546~59)で、フランス・ルネサンス建築の典型的事例とされている。その壁面構成には古代ローマの凱旋(がいせん)門のモチーフが採用されて古典主義様式が確保されていると同時に、フランスのシャトー(城館)建築の伝統様式が適用され、それと巧妙に調和している。そのほか彫刻家グージョンとの協力によるオテル・カルナバレ(1544ころ)がよく知られている。

[濱谷勝也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レスコー」の意味・わかりやすい解説

レスコー
Lescot, Pierre

[生]1515頃.パリ
[没]1578. パリ
フランスの建築家。絵画,数学,建築を学んだ。フランス・ルネサンス建築の作風確立。 1546年にフランソア1世依頼で彫刻家 J.グージョンとともにルーブル宮殿増築を担当し,方形の中庭の西南翼を設計した。

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