グージョン(読み)ぐーじょん(英語表記)Jean Goujon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グージョン」の意味・わかりやすい解説

グージョン
Goujon, Jean

[生]1510頃.ノルマンディー?
[没]1568頃.
フランスの彫刻家。 1540年にルーアンで活躍していた以前のことは不明だが,おそらくイタリアで古典様式を学んだものと推測されている。代表作にパリサン・ジェルマン・ロクセロア教会の内陣障壁彫刻 (1544~45,ルーブル美術館) や『フォンテーヌ・デ・イノサン』 (1547~49) の部分が現存作風後者の有名なニンフの浮彫彫刻が示すように,古典的様式にフランス風の繊細,優雅な趣をみごとに融合したもの。 1548~62年ルーブル宮殿造営にピエール・レスコーとともに携わり,ファサードの装飾やカリュアティド (1549頃~53) などを制作したが,それらは 19世紀に不適切な修復によってそこなわれた。 1562年以後の消息は不明。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グージョン」の意味・わかりやすい解説

グージョン
ぐーじょん
Jean Goujon
(1510ころ―68ころ)

フランス・ルネサンスのもっとも重要な彫刻家の一人。現存作品のうちもっとも早いものがルーアンのサン・マクルー聖堂のオルガン支柱(1540~42)であるため、彼の生地はノルマンディー地方と思われる。おもにパリで活躍し、サン・ジェルマン・ローセルワ聖堂の内陣障壁(1544)、『幼児たちの泉』(1547~49)、ルーブル宮の女人像柱の間の『女人像柱(カリアティード)』(1550)などはいずれも優雅な古典性をたたえた名品である。1562年からパリでの消息がなく、晩年ボローニャに住み、同地で没したと思われる。

[篠塚二三男]

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