フランソア1世(読み)フランソアいっせい(英語表記)François I

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランソア1世」の意味・わかりやすい解説

フランソア1世
フランソアいっせい
François I

[生]1494.9.12. コニャック
[没]1547.3.31. ランブイエ
フランス王 (在位 1515~47) 。ルイ 12世のいとこアングレーム伯シャルルの子。「大王」とも呼ばれる。即位と同時にシャルル8世以来のイタリア政策を引継いで北イタリアに出兵 (15) ,マリニャーノの戦勝,「ボローニャの政教協定」 (16) などの成功を収めた。神聖ローマ皇帝の位を要求してカルル5世に敗れてのち,再度のイタリア遠征 (25) ではパビアの戦いに敗れて自身もカルル5世の捕虜となり,北イタリアにおける一切の地歩権益を失った (→イタリア戦争 ) 。さらに皇帝と戦うこと2度に及んだ (36~38,42~44) 。この間国内では,行政機構や徴税制度の整備,高等法院の再組織など,貴族,教会の権力を削減して王権の強化に努め,絶対王政の確立に向って一歩を進めた。ビレール・コトレ勅令 (39) では公文書用語をフランス語に統一することを命じた。豪華な宮廷生活を愛好し,学芸の保護にあたったので,イタリアから導入された文化は彼の時代にフランス・ルネサンスとして開花した。また G.ビュデの要請を入れて人文主義の高等教育研究機関,コレージュ・ド・フランスの前身王立教授団」を開設した (30) 。彼自身は旧教徒として終始し,晩年には国内新教徒を弾圧する一連の勅令を発している。

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