改訂新版 世界大百科事典 「レスティオ」の意味・わかりやすい解説
レスティオ
Restio
イグサに似たレスティオ科の多年草の総称。地下茎は横にはい,節ごとに退化した鱗片状の葉をつけ,また地上茎を出す。地上茎は緑色で,葉は鱗片状に退化している。花は茎の頂部やその付近の分枝した枝に多数がかたまった穂状に集まりついて小穂を作る。小穂は苞に包まれる。各花(小花)は小さく退化的で,雌雄異花(雌雄異株)。6枚の花被片を持つ。雄花には発達した3本のおしべが,柱頭が2裂するめしべを持つ雌花には3本の不稔おしべがある。オーストラリアと南アフリカ,マダガスカルやそのアフリカ対岸部に約130種が分布する。
レスティオ科は30属,230種ほどが主として南半球に分布し,一部はマレーシアから東南アジアにもある。単子葉植物に属する小さな群で,系統的にはイグサ科に近いと考えられている。また花が退化的で,風媒の方向に進化したイネ科との関係も議論されている。イグサに似た幹を,マット等の敷物を作るのに利用することがある。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報