レドックス重合(読み)レドックスジュウゴウ

化学辞典 第2版 「レドックス重合」の解説

レドックス重合
レドックスジュウゴウ
redox polymerization

酸化還元重合ともいう.レドックス系の開始剤によるラジカル重合をいう.水系のレドックスとしては,たとえば過硫酸塩,過酸化水素ヒドロペルオキシドのような過酸化物と,二価の鉄塩,一価の銅塩,アミンなどの還元剤との組合せが,また非水系としては,ヒドロペルオキシド,過酸化ジアルキル,過酸化ジアシルなどの酸化剤第三級アミン,ナフテン酸塩,チオール類,有機金属化合物などの還元剤との組合せがある.これらのレドックス開始剤のラジカル発生反応は,小さな活性化エネルギー(約4.2 kJ mol-1)で進行するので,低温でラジカル重合を開始させることが可能である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レドックス重合」の意味・わかりやすい解説

レドックス重合
レドックスじゅうごう
redox polymerization

ラジカル重合において触媒として過酸化物を用いる場合,適当な還元剤を添加すると過酸化物の分解が促進され,重合が低温でもすみやかに進行する。このように酸化剤と還元剤の共存でラジカル (遊離基) の生成を促進する重合法をレドックス重合という。還元剤としては2価の鉄イオンやアミンなどが用いられ,過酸化水素-塩化第一鉄系は代表的な例である。レドックス重合は乳化重合で工業的に実施されている。

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