日本大百科全書(ニッポニカ) 「レペシンスカヤ」の意味・わかりやすい解説
レペシンスカヤ
れぺしんすかや
Ольга Васильевна Лепешинская/Ol'ga Vasil'evna Lepeshinskaya
(1916―2008)
ウクライナ出身のバレリーナ。キエフ(現、キーウ)に生まれる。1933年モスクワのボリショイ・バレエ学校を卒業、同バレエ団の花形としてザハロフRostislav Vladimirovich Zakharov(1907―1984)振付けの『シンデレラ』の主役などを踊った。第二次世界大戦中はソ連軍兵士慰問のため各地で踊った。スターリン賞や人民芸術家の称号などを得て、1963年に引退。アクロバティックなテクニックをもち、来日公演(1957)での『春の泉』Spring Watersの男の腕に飛び込む軽業(かるわざ)のようなアダージョのテクニックや、『ワルプルギスの夜』の名人芸などは感嘆を込めて語り伝えられている。引退後は、ベルリン国立歌劇場やストックホルム国立バレエ団などで指導にあたった。
[市川 雅・國吉和子]