現代外国人名録2016 「ロビンウォーレン」の解説
ロビン ウォーレン
J.Robin Warren
- 職業・肩書
- 病理専門医,病理学者 元王立パース病院上級病理専門医
- 国籍
- オーストラリア
- 生年月日
- 1937年6月11日
- 出生地
- サウスオーストラリア州アデレード
- 専門
- ピロリ菌
- 学歴
- アデレード大学〔1961年〕卒
- 学位
- 医学博士
- 受賞
- ノーベル医学生理学賞〔2005年〕,国際医学賞(ドイツ)〔1997年〕
- 経歴
- 王立メルボルン病院、王立病理医大特別研究員などを経て、1968〜99年王立パース病院の上級病理専門医。’79年胃炎患者の胃粘膜に、小さな曲がった未知の細菌(ピロリ菌)を発見。その後、バリー・マーシャル博士との共同研究で、さらに100人の患者の組織を調べた結果、胃炎や胃・十二指腸潰瘍を患っているほとんどすべての患者で、ピロリ菌を確認した。’82年には菌の分離培養に成功。’94年米国国立保健研究所(NIH)によりピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が胃潰瘍の原因であることが公式に認められる。この発見までは、強い酸性の胃液がある胃の中では細菌は生息しにくいと考えられていた。消化性潰瘍などはストレスと生活習慣が主たる原因と考えられていたが、除菌が再発を防ぐことを臨床的に証明。このおかげで、消化性潰瘍は、抗生物質と胃酸の分泌を抑える薬を組み合わせた短期間の治療で済む病気になった。また慢性疾患を微生物が引き起こしているという発見は、他の多くの病気のメカニズムを解明する手がかりにもなった。2005年マーシャル教授とともにノーベル医学生理学賞を受賞。二男の妻は日本人で、日本びいきとして知られる。
出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報