改訂新版 世界大百科事典 「ローボルト会社」の意味・わかりやすい解説
ローボルト[会社]
Rowohlt Verlag
1908年E.ローボルトがライプチヒに設立した文芸書を中心とするドイツの出版社。現所在地はハンブルク近郊ラインベク。第1次大戦後,表現主義文学系の作品を積極的に取りあげたことからもわかるように,常にアクチュアルな現代文学を刊行している。ムージル,トゥホルスキーなどの全集を出すかたわら,外国文学の翻訳紹介にも意欲的。ことにフォークナー,ヘミングウェーをはじめとするアメリカ現代文学の紹介に特色がある。日本の谷崎潤一郎,三島由紀夫などの翻訳もある。また早くから廉価版出版に力を入れており,53年に設立されたポケット版専門の姉妹会社からは〈ロ・ロ・ロrororo〉の商標をつけた各種の新書版シリーズが出されている。商標の起源となった輪転機刷りの文芸叢書〈ローボルツ・ロタツィオーンス・ロマーネ〉,伝記叢書として有名な〈ローボルツ・モノグラフィーエン〉,事典シリーズなどがある。
執筆者:井上 修一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報