改訂新版 世界大百科事典 「ローンアンテロープ」の意味・わかりやすい解説
ローンアンテロープ
roan antelope
Hippotragus equinus
偶蹄目ウシ科の哺乳類。ウマを思わせる体型をした大型のアンテロープ。英名でhorse antelope(ウマアンテロープ)と呼ばれることがある。体色は全体に淡い赤茶色,顔には白と黒の顕著な斑紋がある。耳は長く,先がとがり,先端に房毛(ふさげ)がはえる。後方に湾曲する角は雌雄ともにあり,体のわりにはやや小さく長さ55~99cm。セネガル,エチオピアから南アフリカ南部に分布。体長190~240cm,肩高126~145cm,尾長37~48cm,体重220~300kg。ふつう水場から数km以内の草原に,1頭の雄と,4~18頭の雌と子からなる群れですむ。雄は,群れの周囲に他の雄が近づくのを防ぐ。草食性で,水を好み,日に2回水を飲みに水場を訪れることがある。乾季には草や水のある場所にたくさんの群れが集まる。交尾は5~8月に多く,出産は9~4月に多く行われる。妊娠期間は約275日。ライオン,ハイエナ,リカオンがおもな天敵である。
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報