日本大百科全書(ニッポニカ) 「セーブルアンテロープ」の意味・わかりやすい解説
セーブルアンテロープ
せーぶるあんてろーぷ
sable antelope
[学] Hippotragus niger
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。アンテロープとよばれる一群のうち、オリックス亜科に属し、アフリカ南東部に分布する。同じ属のローンアンテロープが開けた草原を好むのに対し、本種は丘陵地の林、低木の針葉落葉混交林、深い草原などにすみ分け的に生活する。肩高1.3~1.38メートル、体重200~250キログラム。角(つの)は雌雄にあり、雄のは長大で長さ173センチメートルに達する。普通8~20頭、ときに80頭以上の群れで暮らし、群れはリーダーの雄と多くの雌と子から構成される。朝と夕におもに草を食べ、夕方には毎日水場を訪れる。妊娠期間は約270日で、乾期の終わりごろの1~2月に1子を産むものが多い。
[今泉忠明]