1921年ベルリン郊外ポツダムの天文台内に作られた太陽観測用塔望遠鏡を内蔵する観測館。強い重力場から出る光の波長は赤い方へずれるというアインシュタインの一般相対性理論を太陽について検証しようとして建てられたため,この名がある。アインシュタインが,その助手を介して,ユダヤ人仲間の建築家E.メンデルゾーンに設計を委託。メンデルゾーンは近代的な建築構法である鉄筋コンクリート造の彫塑的な造形性に期待し,力動的な造形理論を唱え,力強いタッチの建築スケッチを描いていたが,この観測館はそれを具体化したもの。ドイツ表現主義のユートピア建築運動が残した数少ない遺品として貴重な作品である。
執筆者:牧田 貢+杉本 俊多
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…ベルリンとミュンヘンで学んだ後,ベルリンで事務所を開く。処女作ポツダムのアインシュタイン塔(1921)はドイツ表現主義建築の代表作として知られる。ケムニッツのショッケン百貨店(1929),ベルリンの映画館ユニフェルスム(1929)などの作品は次の世代に大きな影響を与えた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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