アキノ暗殺事件(読み)アキノあんさつじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アキノ暗殺事件」の意味・わかりやすい解説

アキノ暗殺事件
アキノあんさつじけん

1983年8月 21日,フィリピンのフェルディナンド・E.マルコス大統領の政敵,ベニグノ・S.アキノ元上院議員がマニラ国際空港で射殺された事件。暗殺計画の事前情報が流れていたにもかかわらず滞在先のアメリカから帰国した際に起こった。 24日,政府はアキノ事件特別調査委員会を設置して真相究明にあたったが,1985年 12月,裁判で被告全員無罪で決着した。事件は経済低迷の深刻化,教会財界・都市中間層の反発政界・軍内部の亀裂,アメリカの支持低下を招くとともに,1986年の二月革命でマルコス長期独裁政権が崩壊する下地をつくった。

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