インドネシアのスマトラ島北部に住むモンゴロイド系種族(民族集団)。アチェー語はオーストロネシア語に属し、マレー語に近い言語である。総人口は約307万(1990)。6世紀にはインドの支配下にあり、またすでに13世紀にはイスラム教徒になったといわれる。17世紀にポルトガル人を撃退してから、20世紀初めにオランダに降伏するまでスルタンが支配していた。アチェーは稲作民で、低地ではおもに水田耕作を、内陸ではおもに陸稲を、牛や水牛に犂(すき)を引かせて耕作している。このほかにサトウキビ、トウモロコシ、タバコ、コショウ、ビンロウジュ、ゴムノキなどをつくっている。彼らは1000年以上にもわたって、マレー地方との間に盛んに交易を行ってきた。アチェーの政治的中心はスマトラ島北端の港コタ・ラジャKota Radjaにあり、ここにスルタンが住んでいた。アチェーの親族関係は父方、母方をたどる双系制に基づいているが、結婚後は一般に妻方に居住する習慣である。彼らは熱心なイスラム教徒であるが、多神教的な神秘主義の傾向も広くみられ、悪霊を払う行事や儀礼は現在でも行われている。
[吉田禎吾]
生命維持活動に必須なエネルギーの獲得や,成長に必要な有機材料を合成するために生体内で起るすべての生化学反応の総称。複雑な分子を単純な分子へ分解してゆく過程でエネルギーを獲得する分解代謝または異化 (カ...