アバシリ場所(読み)あばしりばしよ

日本歴史地名大系 「アバシリ場所」の解説

アバシリ場所
あばしりばしよ

近世末期に成立した場所。オホーツク海沿いの網走川河口の付近を中心とする。初めソウヤ場所に属し、一七九〇年(寛政二年)からはシャリ場所の一部であった。天保郷帳にはシャリ持場のうちに「アバシリ」があげられている。一八五九年(安政六年)シャリ場所が会津藩領となったとき、濤沸とうふつ湖口東側のアヲシマナイから浦士別うらしべつ川筋を経て藻琴もこと山頂を境とする地域が幕府直轄領として残され、アバシリ場所が新設された(「アバシリモンベツ御領替に付口上書」北海道大学北方資料室蔵)。「場所境調書」には「アハシリ領」とあって「シャリ、アハシリは元一ケ場所なれども、往昔より惣乙名は両方に分れて有、当時二ケ所の如く申也。其領境をトウフツの東岸を以て定め」として、アバシリ領にはノトロモヨロ、クシタハナ、ビホロ、ニクリバケ、ナヨロモコト、トウフツが所属することと定められた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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