アルベルティ(Rafael Alberti)(読み)あるべるてぃ(英語表記)Rafael Alberti

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アルベルティ(Rafael Alberti)
あるべるてぃ
Rafael Alberti
(1902―1999)

スペイン詩人カディスに生まれる。民衆的なテーマと詩型をもつ処女作『陸の船人』(1924。国民文学賞)は彼の名を一躍高めた。のちヨーロッパの前衛的な手法を試み、現代生活をモチーフにした『石灰と石塊』(1929)、意識下の混沌(こんとん)の世界を照射した代表作『天使たち』(1929)を発表した。彼の政治的関心は深く、内戦では人民戦線側の闘士として社会派の詩を武器に知識人の先頭にたった。1939年アルゼンチン、イタリアに亡命戦後の作品に、故国へのやみがたい郷愁を基調にした『はるかに生きるものへの復帰』(1952)、『海の時』(1953)などがある。1977年スペインに帰る。ほかに戯曲プラド美術館の戦いの夜』(1956)、回顧録『失われた木立ち』(1949、改訂版1987)など。1983年セルバンテス賞受賞。

[有本紀明]

『『世界の文学37 現代詩集』(1979・集英社)』『『世界名詩集大成14 南欧・南米篇』(1960・平凡社)』

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