アルベール運河(読み)アルベールウンガ(英語表記)Albertkanaal

デジタル大辞泉 「アルベール運河」の意味・読み・例文・類語

アルベール‐うんが【アルベール運河】

Albertkanaal》ベルギー北東部にある運河アントウェルペンリエージュを結ぶ。全長約130キロメートル。名称は国王アルベール1世にちなむ。オランダ領を通るムーズ川に代わり、ベルギー領内を通って同国最大の工業地帯とアントウェルペンの港を結ぶ運河として、1930年代に建造六つ閘門こうもんが設けられた。

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改訂新版 世界大百科事典 「アルベール運河」の意味・わかりやすい解説

アルベール運河 (アルベールうんが)
Albertkanaal

ベルギーの運河。リエージュとアントワープ港を結び,全長129.6km。国王アルベール1世にちなんで命名された。第2次大戦前,リエージュとその周辺地域はムーズ川に臨むベルギー最大の工業(石炭・鉄鋼業)地域であったが,ムーズ川はリエージュを過ぎるとオランダ領に入るので,ベルギー領内を通過してこの地域とアントワープ港とを直接に結ぶ運河として,1930年に着工し,39年開通した。リエージュとアントワープの標高差は約56mで,6個の閘門を備え,2000トンの船舶が1~2日で航行できる。国内水路輸送量の約40%を占め,年間の貨物輸送量は約4000万t(1973)。リエージュからは建材,石炭,金属,ガラス製品など,アントワープからは鉄鉱石油などが運ばれる。70年代に運河に沿ってボードゥアン高速自動車道が建設され,沿岸地域は新工業地域として脚光を浴びている。建設当時,運河は東部および北部国境からのドイツ軍侵入に対する防衛線として,戦略的重要性を帯びていた。
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