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アロステリー allostery

翻訳|allostery

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アロステリー
allostery

酵素などの機能蛋白質の活性調節の一形式。この語は,通常,アロステリックと形容詞で用いられる。現在の慣用としては,(1) 酵素の基質結合部位以外の場所に調節物質が結合することによって,酵素の最大反応速度や基質に対する親和性が変化する場合,(2) 基質の結合部位が2ヵ所以上あって,それらの間に相互作用がある場合を含めて,広い意味で用いられる。もともとこの語は J.モノと J.P.シャンジューが,1965年頃,複数のサブユニットから成る酵素モデルについて,単純化はしているがかなり明確な数理的モデルを立てた際の用語であり,そこでは (1) のような調節物質が結合することによって,サブユニットがR (relaxedの略。弛緩の意) とT(tight)の略。緊張の2状態の間で転換を行うと考えられている。現行の用法はいわばその拡大した適用といえる。 (1) としては,解糖系の反応の一段階である果糖六リン酸キナーゼがアデノシン三リン酸やクエン酸で抑制され,アデノシン二リン酸やアデノシン一リン酸では促進されるなどの多数の例がある。 (2) については,ヘモグロビンに4個の酸素結合部位があって,それらの間に相互作用の認められるのが典型的な例の一つ。実際には (2) のような相互作用の程度そのものが,(1) の方式によってさらに調節物質によって調節されている例が多い。これらの調節は,多くの場合,代謝を適応の速さで進行させる自動調節の意味をもつ。なおアロステリックとは「異なる立体構造」の意であり,酵素上での調節物質の結合部位が基質結合部位とは異なることからくると理解するのが普通であるが,基質と調節物質とが異なった立体構造をもつとの意味であるとする理解もある。

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