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アンチセンス医薬 アンチセンスいやくantisense medicine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アンチセンス医薬
アンチセンスいやく
antisense medicine

特定の遺伝子と2重らせんを形成するようにデザインされた DNAや RNAを細胞内に導入することによって,遺伝子の発現を止めることを狙った医薬品。まだアイデアの段階だが,将来,抗生物質に匹敵する医薬品になるとの指摘があり,アメリカではすでにこの医薬品を研究するため多数のベンチャー企業が出現している。 DNAや RNAが相補的な構造を持った別の DNAや RNAときれいな2重らせん構造をとることはよく知られている。生物の中には,DNAから転写された mRNAに対して相補的な RNA分子を合成し,2重らせんを形成させ翻訳へのプロセスを止めることによって,遺伝子の発現を調節しているものがある。このように遺伝子発現の歯止めになる RNAや DNAをアンチセンス RNAと呼ぶ。アンチセンス医薬品はアンチセンス RNAを素材とした医薬品で,細胞内でエイズウイルスが増殖することを抑制したり,癌遺伝子の働きを弱めることによって癌の治療を行なうなどのアイデアが出されているが,いずれも動物試験が続けられている段階。将来は高血圧や高脂血症など特定の遺伝子が関与していると見られる慢性疾患に利用される可能性もある。

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