イエスの生誕地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路(読み)イエスのせいたんち ベツレヘムのせいたんきょうかいとじゅんれいろ

世界遺産詳解 の解説

イエスのせいたんち ベツレヘムのせいたんきょうかいとじゅんれいろ【イエスの生誕地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路】

2012年に登録された世界遺産(文化遺産)。イエスが処刑されたエルサレム旧市街のゴルゴダの丘から約10kmの位置にある聖誕教会は、2世紀以降、イエスの生誕地と考えられてきた地に建つ。339年に初めて建設され、6世紀に火災に遭い、再建された。聖誕教会の入り口はとても小さく、この入り口の付近に2000年前には、馬小屋として使われた洞窟があり、ここでイエスは誕生したという。現在は、教会の祭壇があり、その下に記されたベツレヘムの星がイエスの生誕地であることを示している。この初期キリスト教会の特徴を残す聖誕教会に加え、この巡礼の最終目的地に向かうための巡礼路と鐘楼、ひな壇式庭園、ラテン・ギリシア正教・フランシスコ会・アルメニア教会の女子修道院や教会群なども指定対象である。現在でも年間約2万人の巡礼者・観光客が訪れる場所であり、2011年10月にユネスコへの加盟が承認されたパレスチナ自治政府が世界遺産に申請。これに対してイスラエルが反対動議を提出したが却下され、アメリカは調査不十分という理由で反対したが、登録が認められ、パレスチナ第1号の世界遺産となった。なお本件は、パレスチナ・イスラエル抗争などによって教会の維持補修が進まない状況から、世界遺産登録と同時に危機遺産リストにも記載された。◇英名はBirthplace of Jesus: Church of the Nativity and the Pilgrimage Route, Bethlehem

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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