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イグニンブライト ignimbrite

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大辞林 第三版の解説

イグニンブライト【ignimbrite】

溶結固化した火砕流堆積物。大規模な火砕流が堆積して、高温と自重のため溶結したもの。 → 溶結凝灰岩

出典|三省堂
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岩石学辞典の解説

イグニンブライト

熔結した火山砕屑流堆積物で,マーシャルニュージーランド北島中央部に広く分布する珪長質の熔結凝灰岩に命名したものである[Marshall : 1932].イグニンブライトは一般に凝灰岩規模の火山砕屑岩で,大小様々な破片などの物質を含んでいる.固くなった凝灰岩で,普通は垂直の柱状節理を示すことが多い.酸性から中性の化学組成の岩石で,同源の結晶と岩片がガラスの破片でできた基質の中に埋められた組織を示している.このガラスの破片は互いに熔結して捩じ曲げられ,流理構造に類似した様子を示している.
イグニンブライトは熱雲(nuee ardente)あるいは火山砕屑流の堆積物で,非常に厚く堆積して柱状節理が発達したものを指すという考えがある[AGI : 1962].熔結した大規模火砕流堆積物を呼ぶこともある[荒牧 : 1979].また流動化した火山灰流急斜面を移動し堆積した結果形成された岩石をイグニンブライト,または火山灰流凝灰岩(ash-flow tuff)と呼んでいる[Bowes : 1989].今までに観測された熱雲の規模はイグニンブライトや熔結凝灰岩の規模に比べてはるかに小さく,熱雲とイグニンブライトなどの熔結作用を同じような機構で考えてよいか問題で,実際にイグニンブライトが噴出したことは確認されていない.
一般に火山砕屑流が固化した部分には柱状節理が見られるが,熔結していない部分や熔結が弱い部分が含まれる.フェンナーは柱状節理を示す多孔質の火山砕屑岩で結晶化して固化し,柱状節理を示す部分をシラー(sillar)と呼んだ[Fenner : 1948].イグニンブライトは本来部分的または完全に固く熔結したものであるが,現在はこのような厳密な意味では使用されていない.イグニンブライトが熔結凝灰岩と同意義であるという意見があり[久野 : 1954, AGI : 1962],久野はイグニンブライトを無層理の軽石流堆積物および熔結凝灰岩であるとして,イグニンブライトの名称は不必要としている[久野 : 1954].久野の意見は岩石標本名と火山砕屑流という岩体名を混同しているので,イグニンブライトは岩石標本名として使用するほうがよい.固化した火山砕屑岩で熔結組織を示すものをイグニンブライトとし,熔結組織を示さないものは凝灰岩と呼ぶのが適当である[鈴木 : 1994].イグニンブライトはその組織の変化から,マーシャルは,プルヴェルライト(pulveru-lite),レンテイキュライト(lenticulite),ラピダイト(lapidite)の3種類に区別した[Marshall : 1932, 1935].ラテン語ignisは火,nimbisは雲を意味している.imbrisにはにわか雨,夕立の意味がある.

出典|朝倉書店
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