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火山活動によって地表にもたらされたマグマ起源の岩片よりなる火山性堆積(たいせき)岩。一般に海水や陸水のため破砕、円磨され二次堆積した各種サイズの火山放出物を含めての火山性堆積岩の総称である。略して火砕岩(かさいがん)ともいう。火山砕屑(さいせつ)岩はきわめて多様な火山放出物の集合体であるのが普通であるが、おおよそ50%以上を占めている主要岩片の性状と大きさによって次のように分類される。特定の形態、内部構造を有しないものとしては径32ミリメートル以上の火山岩塊、火山灰よりなる火山角礫(かくれき)岩や凝灰(ぎょうかい)角礫岩、径32以下2ミリメートル以上の火山礫よりなる火山礫凝灰岩、径2ミリメートル以下の火山灰よりなる凝灰岩に分類される。特定の形を示す砕屑岩としては凝灰集塊岩(火山弾が入っている)、スコリア集塊岩、溶岩餅(べい)凝灰(スコリア)集塊岩などがあるが、これらはいずれも火口の周辺に限られて分布する。そのほか、多孔質のものとして軽石凝灰岩、スコリア凝灰岩がある。
これらの火山砕屑岩は、成層状況、粒度分布、岩質をもとにして、空中降下物(粒度が火口からの距離によって規則的に変化する)、陸上運搬物(雑然と堆積)、陸上堆積物、水中堆積物のいずれであるかが検討される。また火砕岩は、火山噴火の際上昇してきたマグマに直接由来するものを本質、同一火山体を構成する岩片よりなるものを類質、基盤岩の岩片よりなるものを異質とよんで区別する。
[矢島敏彦]
火山砕屑物が固結して生じた岩石の総称。火砕岩ともいう。火山砕屑物はその成因により二分される。(1)高温のマグマが破砕して生じたもので,多くの場合火口から投げ出され,空中を飛行して着陸したもの(火山弾など)。(2)既存の火山岩が二次的に破砕されたもの。前者をpyroclasticmaterial,後者をvolcaniclastic materialと呼んで区別する。火山砕屑岩はふつう構成粒子の直径によって図のように分けられる。特に火山弾を含む火砕岩は凝灰集塊岩と呼び,軽石やスコリアを多く含むものをそれぞれ軽石凝灰岩,スコリア凝灰岩と呼ぶ。軽石凝灰岩やスコリア凝灰岩は比重が小さく,容易に切断加工されるので,大谷石のように建築用石材としてつかわれる。
執筆者:荒牧 重雄
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…これらはいずれも粗粒な岩石である。 表1に含まれていない火成岩として,そのほかに火山砕屑岩類pyroclastic rocksがある。火山砕屑岩は,火山から放出される火山弾,火山岩塊,軽石,スコリア,火山礫,火山灰などが集まって固結して生じた岩石の総称である。…
…砂粒が膠結(こうけつ)されてできた岩石で,砂粒(径1/16~2mm)が50%以上を占める砕屑岩をいう。おもに火山砕屑物からなるものは火山砕屑岩と呼び,砂岩には含めない。色は通常,黄~灰白色で,風成のものは赤色を呈することがある。…
※「火山砕屑岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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