いただき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「いただき」の意味・わかりやすい解説

いただき

頭上に物を載せて運搬すること。頭上運搬一種。京都の大原女が有名であるが,おもに漁村婦人が,魚介海藻を籠に入れ頭上に載せて行商することをいう。初めは自家採集の海産物と米穀類を交換するのが主であったが,のちには,販路を広げ日用雑貨,呉服類まで取扱うようになった。愛媛県のオタタ,佐賀県のタタ瀬戸内カベリなどもこれと同義である。

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デジタル大辞泉プラス 「いただき」の解説

いただき〔銘菓〕

大阪府大阪市、鶴屋八幡が製造・販売する銘菓。卵を用いた焼皮で粒餡をはさんだもの。

いただき〔郷土料理〕

鳥取県西部の郷土料理油揚げ生米野菜を入れて炊き上げたもの。

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世界大百科事典(旧版)内のいただきの言及

【行商】より

…古来,行商人は婦人が多く,古典にも販女(ひさぎめ),販婦(ひさぎめ)の名で記された。徳島県海部郡阿部村(現,由岐町)の婦人行商はイタダキ(頭上運搬にもとづく呼称)の名で知られ,カネリ(山口・島根両県),ササゲ,ボテフリ,カタギ,ザルなど,運搬法が行商人の呼称となっている点が注目される。行商の古態をさぐる指標となる事柄は,取引の時期と訪ねる相手方が,ほぼ固定しているか否かにある。…

【得意】より

…漁村では,獲れた鮮魚や貝・藻を近郊の農村などに売り歩く婦人の行商が,多くみられた。これらは,イタダキやボテフリ,オタタなどと呼ばれたが,それぞれ,売り歩く先に得意をもっていた。これらの得意先は,行商人によって固定している場合が多く,母から娘へ,あるいは姑から嫁へ引き継がれ,数代にわたってその関係を維持してきたものも多い。…

【販女】より

…漁村では,夫が漁により得た魚介を,妻が近隣の農村や町へ売り歩くことが多かった。これらの行商婦人を,その運搬の姿から,イタダキ,ササゲ,カベリ,ショイカゴボテ,カツギッコ,オタタなどと呼ぶところが多かった。これらのなかには,地域をあげて,より広範な行商活動に従事するものもいくつかあった。…

※「いただき」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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