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イナンナ イナンナInanna

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イナンナ
Inanna

シュメールの女神。古代メソポタミアの大女神イシュタルにその性格の一部を受継がれた。タンムズの前身をなすドゥムジを夫としてもつ。天界の女王であった彼女は,あるとき冥府に死者の国の女王である姉妹のエレシュキガルを訪問したが,冥府の掟に従い,7つの門を過ぎる間に身に着けていたみごとな衣装を次々にはぎ取られ,裸にされてエレシュキガルの前に連れてこられたところを冥府の神々の「死の視線」を浴びせられて死体にされてしまった。エンキ神の介入によってイナンナは結局復活して上界に帰ることができたが,彼女はそこで,同行してきた冥府の使者に自分の身代りとして夫のドゥムジを引渡したという。

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世界大百科事典内のイナンナの言及

【イシュタル】より

…バビロニアの代表的な女神。シュメールではイナンナInanna(〈天の女主人〉の意)と呼ばれ,カナンのアスタルテ,ギリシアのアフロディテ,ローマのウェヌス(ビーナス)に相当する。イナンナ,イシュタルは楔形文書に最も頻繁に現れる女神で,その祭儀はウルク,キシュのほか多くの都市で見られた。…

【シュメール美術】より

…なかでもアラバスター製の大型の筒形壺〈ワルカ(ウルク)の壺〉(ウルク出土)では,外面に帯状に3段の低浮彫がほどこされている。ここに描写されているのは,女神イナンナInannaに関すると思われる祭りの場面である。円筒印章はこの時期に急に数がふえたが,図柄はウルク期のものよりむしろ粗雑になり,植物文様の変形である図式化された幾何学文様が流行した。…

【ビーナス】より


[古代西アジアのビーナス神話]
 新石器時代後期に,この地母神崇拝から特定の女神の崇拝が派生し,のちにこれに一連の神話が付け加えられ,この女神は特定の名をもつようになった。今日知られている最古の〈ビーナス神話〉はシュメールの女神イナンナInannaと男神ドゥムジに関するもので,《イナンナの冥界下り》と呼ばれているシュメール語文書が最も詳しくこの神話を伝えている。これはもとは総計400行以上あったと推定される複雑な構成をもつ物語で,イナンナが冥界に下りて地上に戻れなくなり,ドゥムジ(ここではイナンナの夫)が身代りに冥界に連れてこられ,それを求めてドゥムジの姉ゲシュティンアンナが冥界へ下るというテーマを含んでいる。…

※「イナンナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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