イル・ジェスー教会(読み)イルジェスーきょうかい(英語表記)Il Gesù

世界大百科事典 第2版の解説

イルジェスーきょうかい【イル・ジェスー教会 Il Gesù】

ローマにあるイエズス会の中央教会。マニエリスム後期の建築で,1568‐84年建設。ビニョーラが着工したが建設途中で没したため,ポルタが引き継ぎ,ファサードは後者のデザインによる。縦長の半円筒形ボールトひとつでまとめる幅広い身廊(単廊式,幅約20m)の構成や,アルベルティの手法を踏襲したファサードのデザインは,イエズス会の発展とあいまって,バロック期の教会堂建築に大きな影響を与えた。内部装飾は17世紀後半のもので,バチッチアによる天井画(ドーム,身廊)が名高い。

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世界大百科事典内のイル・ジェスー教会の言及

【教会堂建築】より

…こうして西欧でも,〈神の国〉を象徴するドームをいただく,ローマのサン・ピエトロ大聖堂やパリのアンバリッドの教会堂(ドーム)などが出現した。しかし,教会の改革に努めていたミラノの大司教ボロメオは異教的理念の集中式プランを否定し,従来の,身廊とトランセプトとから構成されるラテン十字プランへの復帰を勧告したので,反宗教改革の推進者であったイエズス会はこれを本山のイル・ジェスー教会(1584)に採用した。同教会は,説教を聴きやすいように内陣を信徒に全面的に開放し,堂内をゴシックのように細分せず,垂直性も強調しない,ゆったりとした単一空間としたが,これがその後の教会堂の基本となった。…

【バチッチア】より

…盛期バロックにおける,光と色彩と短縮法を駆使したイリュージョニスティックな装飾画の代表者となった。とくにイル・ジェスー教会の天井画(1672‐83)は,ローマ・バロックの最大のモニュメントの一つである。【若桑 みどり】。…

【ビニョーラ】より

…古代ローマ建築に関する該博な知識を基礎とする古典主義的表現,豊かな空間的着想,職人的ともいえる精緻な収まりの技法を兼ね併せ,マニエリスム建築からバロック建築への橋渡しの役割を果たした。古代のウィラ(ビラ)の再現を目ざしたビラ・ジュリア(ローマ,1550着工),正多角形と円形を組み合わせた平面のパラッツォ・ファルネーゼ(カプラローラ,1558着工),バロック教会堂の手本とされたイル・ジェスー教会(ローマ,1568‐84)などを残す。その著《建築の五つのオーダーの規範》(1562)は,代表的な古典建築手引書として全欧で広く読まれた。…

※「イル・ジェスー教会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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