イワナイ場所(読み)いわないばしよ

日本歴史地名大系 「イワナイ場所」の解説

イワナイ場所
いわないばしよ

西蝦夷地に置かれた場所で、ほぼ現在の岩内郡域一帯を中心に設定された。イワナイ持場ともいう。その範囲は「イソヤ界ヨリフルフ境迄ノ里数六里十六丁五十間程」(玉虫「入北記」安政四年閏五月一八日条)で、岩内場所切絵図(増田家蔵)に南イソヤ境アフシタ、北ヨイチ境稲穂いなほとある。「西蝦夷地場所地名等控」に惣名イワナイとしてニベシナイ、アリボライ、ポロナイ、サシナイ、シクシマ内、シンブイ、ノツカ、カヤノマ内、シリム川、ヲシベシ、コンブ石泊リがみえる。天保郷帳では蝦夷人居所之分の「イワナイ持場」のうちとしてニベシナイ、ノツカベツ、イワナイ、「チヤシナイ」、シブイが記される。一六六〇年代―七〇年代前半松前藩家老の蠣崎蔵人の知行商場であったとされ、一七一〇年代中頃―三〇年代中頃に場所請負に出され、五一年(宝暦元年)近江八幡(現滋賀県近江八幡市)の恵比須屋岡田弥三右衛門が運上金八〇両で請負人になっている(岩内町史)。「蝦夷商賈聞書」に「岩内ゆはないト申所大場所也、御家老蠣崎庄左衛門殿御預リ(中略)運上金壱ケ年ニ金百両ハ干物類之運上金也、御預リ庄左衛門殿江揚ル、山方運上之義志摩守様江揚ル」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android