インチョン(仁川)直轄市(読み)インチョン(英語表記)Inch'ǒn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

インチョン(仁川)〔直轄市〕
インチョン
Inch'ǒn

韓国の北西部にある港湾都市。 1981年1級行政区となった。キョンギ (京畿) 湾の湾奥にある小半島上にあって,沿岸に 29の小島が浮ぶ。首都ソウルの外港として韓国2位の荷扱い量がある貿易港であり,またキョンイン (京仁) 工業地域の一翼をなす工業都市でもある。港湾地域は旧称済物浦で,古くから中国と交易が行われ,李氏朝鮮時代に水軍がおかれた。 1879年の日韓修好条約によって開港。日清戦争では日本の兵站基地の役割を果した。ソウルとの間にキョンイン鉄道,キョンイン高速道路が通じる。朝鮮戦争ではマッカーサー元帥の率いる国連軍の上陸地点となった。港湾は内港と外港に分れ,潮汐の差が 9mと大きいため,内港には閘門式ドックが設けられている。工業は 1930年代の軍需工場に始るが,独立後,造船,金属機械,自動車などの重工業が発達した。漁港でもあり,韓国三大漁場の一つであるヨンピョン (延坪) 島,トクチョク (徳積) 島の海域を控えて,グチ,エビ,タチウオなどを水揚げする。天日製塩が盛ん。沿岸の島には海水浴場が多い。面積 201km2。人口 181万 8293 (1990推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android