インド−パキスタン戦争(読み)インド−パキスタンせんそう

旺文社世界史事典 三訂版 「インド−パキスタン戦争」の解説

インド−パキスタン戦争
インド−パキスタンせんそう

第二次世界大戦後,分離独立したインドパキスタン両国の戦争。印パ戦争ともいう
【第1次】1947〜48 藩王国カシミールの帰属をめぐって発生。カシミール藩王の要請を受けたインドが兵士空輸,1948年5月パキスタンも参戦。同年12月末,国連調停停戦が成立した。
【第2次】1965 1962年の中印国境紛争(国境問題で中国とパキスタンが接近)後,再びカシミール帰属問題からインドとパキスタンの対立が緊迫,65年4月のカッチ湿地での両国衝突後,西部戦線で両国が全面戦争を開始。同年9月,両国は国連安全保障理事会の停戦決議を受諾した。
【第3次】1971 東パキスタンの自治要求をインドが支援して開戦。背景には,1947年のパキスタン独立後,人口・経済面で優位にあった東パキスタンの西パキスタンに対する不満があった。1970年の総選挙で東パキスタンの自治を求めるアワミ連盟過半数を制すると,翌71年西パキスタンが軍隊を投入して内戦勃発。東パキスタンからインドへの難民流入が続くなか,同年12月,インド軍が東パキスタンに入り,そこで西パキスタン軍を破ると,西部戦線でも戦闘が始まる。戦闘はインドが大勝し,西パキスタンが停戦を承認。その結果,翌1972年1月,東パキスタンがバングラデシュとして分離独立を達成した。なお,カシミール帰属問題は1999年現在も未解決のままである。

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