ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェスタンガーツ山脈」の意味・わかりやすい解説 ウェスタンガーツ山脈ウェスタンガーツさんみゃくWestern Ghāts インド南部,インド半島西岸沿いに延びる山脈。タプティ川南方,北緯 21°付近から,デカン高原の西縁を形成しつつ南下し,パールガート谷で区切られる。南へ向かってしだいに高度を増し,イースタンガーツ山脈と接するタミルナードゥ州西端のニルギリ丘陵のドダベッタ山では標高 2637mを示す。インド半島の分水嶺をなし,東側はデカン高原にゆるやかに傾斜するが,西側は狭い海岸平野へ急激に落ち込む。西斜面はモンスーン(→季節風)により年降水量 3000mm以上で,森林に覆われるが,東斜面は 1000mm以下で乾燥している(→インドの季節風)。チーク,ビャクダン,コクタンなどの木材や,コショウ,カルダモンなどの香料を産する。中部のマンガン,鉄,南部の雲母,石綿など,地下資源も豊富。東流するゴダバリ川,クリシュナ川,カウベリ川の本流・支流をはじめ,西流する小河川でも水力発電が行なわれる。特殊な気候条件と地形のもとで多様な植生がはぐくまれ,世界有数の生物多様性ホットスポット(特に多くの種が集中している地域)の一つとなっている。2012年世界遺産の自然遺産に登録された。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by