日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴダバリ川」の意味・わかりやすい解説
ゴダバリ川
ごだばりがわ
Godavari
インド中部、マハラシュトラ、アンドラ・プラデシュ両州を流れる川。西ガーツ山脈のナーシク付近の年降水量2000ミリメートルの地域に発し、インド中央部を東南流し、途中半乾燥地域を流れるものの、中流からふたたび1500ミリメートルの湿潤地帯を流れる水量豊富な川である。下流にゴダバリ・デルタを形成し、最下流はバシシュタ、ゴウタミ両川に分流する。全長1500キロメートル、流域面積28万平方キロメートルで、インド半島の半分を占める大流域をもつ。最上流域には森林が広がり、タンザ動物保護区がある。上・中流域はデカン溶岩地域で、一面のレグール土が分布し、綿花栽培が卓越している。中流のアーデラバードからふたたび森林地帯に入り、ポカラム、カワール、ポーカール、エトールナガラムなどの動物保護区がある。下流のゴダバリ・デルタは灌漑(かんがい)水路がラージャムンドリから引かれ、一面の水田地帯が広がる。ヒンドゥー教の聖なる川の一つで、沿岸にはラージャムンドリ、トリムバク、バドラチャラムなどの巡礼地がある。
[成瀬敏郎]