ウェセックス王国(読み)ウェセックスおうこく(その他表記)Kingdom of Wessex

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェセックス王国」の意味・わかりやすい解説

ウェセックス王国
ウェセックスおうこく
Kingdom of Wessex

イギリス,アングロ・サクソン時代の七王国の一つ。6世紀初めウェストサクソン人を率いたセルディックとキンリックがサウサンプトン付近に建国。やがてテムズ川上・中流域に定着した同族と合体して拡大した。7世紀末イネ王の時代にテムズ川以南を支配,8世紀にはマーシア王国の宗主権下に服したが,9世紀前半エグベルト王はマーシアノーサンブリアを破って全イングランドに覇を唱え,同世紀末のアルフレッド大王およびその後継諸王によって統一イングランド王国を形成するにいたった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウェセックス王国」の意味・わかりやすい解説

ウェセックス王国
うぇせっくすおうこく
Kingdom of Wessex

アングロ・サクソン七王国(ヘプターキー)の一つ。495年ごろセルディック(チェルディッチ)Cerdic(534没)がイギリス南部に上陸し、519年に建国。キーウリンCeawlin王(593没、在位560~592)は南部イギリスの覇王となる。イネIne王(726?没、在位688~726)は著名な法典を出して発展の基礎を開き、エグベルト王がマーシア、ノーサンブリアを破って七王国の統一の基礎をつくった。その後デーン人侵入に苦しむが、アルフレッド大王がデーンのグスルムGuthrum王(?―890)の攻撃に耐え、イングランド統一の気運を醸成した。

[富沢霊岸 2022年11月17日]

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