ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルフレッド大王」の意味・わかりやすい解説
アルフレッド大王
アルフレッドだいおう
Alfred the Great
[没]899.10.28.
イギリス,アングロ・サクソン時代のウェセックス王 (在位 871~899) 。アングロ・サクソン諸王のなかで最も傑出した王として知られる。ウェセックス王アゼルウルフの末子。3人の兄の跡を継いで即位。当時イングランドはデーン人に国土の大半を奪われて危機に瀕していた。大王はイングランドの宗主王として抗戦,しばしば敗北したが屈せず,ついにエディントンの戦いでこれを破り,ウェドモアの和 (878) を結んで,彼らとの間に国境を画定した。また各要地に城市を建設,軍制を改革し,水軍を編成して,以後のデーン人の進出を阻止した。統治にも努力し,法典を編纂,諸種の改革を行なった。また『アングロ・サクソン年代記』の編集に着手し,学問を奨励し,みずから率先してオロシウスの『反異教徒史論』,ボエチウスの『哲学の慰め』,ベーダの『アングル人教会史』など,ラテン古典の古代英語訳を行なった。
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