エンガノ族(読み)エンガノぞく(英語表記)Enggano

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エンガノ族」の意味・わかりやすい解説

エンガノ族
エンガノぞく
Enggano

インドネシア,スマトラ島南部の西海岸にあるエンガノ島の先住民。最初に白人 (オランダ人) に接した 1596年頃は織物稲作,金属製作を知らず,外部との接触はあまりなかった。人口は,1866年に約 6000人いたとされるがその後激減した。北東部の海岸近くに村長長老によって統率される村落を形成し,全体は4~8のカハという母系出自集団に所属しており,母方交差いとこ婚を行う。一夫一婦制,妻方居住婚が一般的で,長子の出生後,新居を構える。祖先崇拝を含む伝統信仰は残っているが,ほとんどがキリスト教かイスラム教の信者となっている。キャッサバ,タロいもを栽培していたが,最近はココやし採集に変る者が多い。そのほか漁労を行い,豚飼育も重要。エンガノ島には現在政府の犯罪者更生施設があり,外部との交流も盛んになったため,社会文化面に大きな変化を起している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android